研究分担者 |
小山田 ゆみ子 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40231245)
小山田 正人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30183255)
服部 淳夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90208538)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30154149)
榎本 克彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20151988)
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研究概要 |
昨年度までの研究で、我々は、細胞骨格と関連する肝細胞tight junctionの構成蛋白7H6抗原を見出した(J.Cell Biol.,120,1993)。 本年度は、この7H6抗原の発現とtight junctionのバリアー機能の関係について研究を進め、7H6抗原の細部膜への局在が、細胞間のバリアー機能に関連することを明らかにした(細胞生物学会発表)。さらに、7H6抗原がリン酸化蛋白であり、リン酸を失うと膜から離れることを見出した(未発表データー)。最近、tight junctionに関連した蛋白が次々と見出されているが、現在までのところ細胞間のバリアー機能に関係する蛋白は知られていない。tight junctionによる細部間の選択的バリアー機構は、生体の防御に重要な意義を持ち、その破錠は、炎症細胞浸潤,血漿蛋白の漏出,エンドトキシン血症の成立などの病態を招く他、癌細胞の血管外脱出を容易にし転移の形成を促進するから、tight junctionの開閉機構を分子レベルで明らかにすることは、病理学にとって極めて重要な研究課題である。7H6ハイブリドーマ細胞と、7H6抗原を発現するMDCK細胞の大量培養系を確立し、アフィニティカラムによる7H6抗原の精製と、モノクローナル抗体を利用した7H6抗原cDNAのクローニングを進めている。7H6抗原を用いた免疫沈降で、7H6抗原は、これまで知られているtight junctionの最も代表的な蛋白である20-1とは結合していないことが明らかになった。したがって7H6抗原はZ0-1以外の蛋白と結合して、(または直接)、バリアー機能を調節することが示唆された。 in vitroにおける疾患モデルを作製するため、各種の培養細胞株を用い、バリアー機能(電気抵抗,アルブミン透過性)と7H6抗原の発現(蛍光抗体法,イムノブロット)の関係を検索中である。
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