研究分担者 |
小山田 ゆみ子 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40231245)
小山田 正人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30183255)
服部 淳夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90208538)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30154149)
榎本 克彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20151988)
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研究概要 |
本研究で我々が見出した新しいtight junction関連蛋白7H6抗原は,tight junction膜の細胞骨格成分と結合する155kDの蛋白であるが,本年度1は 1.7H6抗原の tight junctionへの局在が,tight junctionの重要な生理機能である細胞間の物質透過性を規定するバリアー機能を高めことを明らかにした(発表論文1)。tight junction は,消化管の粘膜上皮血管内皮細胞で,バリアーとして働き,生体の維持に重要な役割を果たしており,そのバリアー機能の低下はエンドトキシン血症の成立炎症細胞の血管外浸潤・血漿蛋白の漏出,癌細胞の血管外脱出など多くの病態の成立に関与することから,7H6抗原構造決定のtight junction膜への発現機構,バリアー増強の分子機構の解析を進めている。2.培養心筋細胞の実験系を確立し,細胞骨格に対する収縮機能が,細胞間のgap junction を介して伝達されることを明らかにした(発表論文2)。3.細胞骨格の中でも,中間径フィラメントはその機能が明らかにされていない培養ヒト腎癌細胞を用いて,ビメンチンフィラメントの基底部への局在が,細胞の極性の維持に働くことを論文3に発表した。4.中間径フィラメントや,細胞質微小管などの細胞骨格の細胞内の局在を通常の観察法によってとらえることは困難で,それが機能の解析を妨げている理由の一つである。本研究費の助成によって導入された共進点レーザー顕微鏡を用いることによって,中間径フィラメントが毛細胆管の構造を保ち,一方,細胞膜直下の微小管の配列が,細胞の分化機能の誘導に関与することを論文5に発表した。
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