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1992 年度 実績報告書

必須微量元素の機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04404037
研究機関京都大学

研究代表者

糸川 嘉則  京都大学, 医学部, 教授 (80025593)

研究分担者 小澤 和恵  京都大学, 医学部, 教授 (00026858)
近藤 久雄  京都大学, 医学部, 助手 (20205561)
横井 克彦  京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
木村 美恵子  京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
キーワード必須微量元素 / 廃用性筋萎縮 / 鉄結合蛋白質 / 鉄 / ルビジウム / 亜鉛 / 銅 / マンガン
研究概要

廃用性筋萎縮における微量元素の変動について検討を加えた。ラットをエーテル麻酔下で片後肢を底屈位で足関筋固定術を施行し、廃用性筋萎縮を生じさせた。萎縮の進行に伴う、筋肉組織中の微量元素濃度を測定した。亜鉛とマンガンは固定後8日目までは筋肉中濃度が上昇したが、12日になると減少した。銅濃度には余り萎縮の進行による変化は認められなかった。これに比して、鉄濃度は萎縮筋において著しく上昇し続け、12日には対照の1.8倍になった。この鉄の増加が細胞内のどの部分に起因するのかを明らかにするため細胞分画を行い鉄濃度を測定した結果、ミクロソームと上清の分画の鉄濃度が上昇していた。特にミクロソーム分画の上昇が著しく12日で対照の3倍になった。ミトコンドリア分画の鉄濃度は萎縮筋でむしろ低下した。次に、ミクロソームにおいて鉄結合能をもつ蛋白質を同定した結果、54kDaの鉄結合能を有する蛋白質が萎縮筋で増加していることを解明した。一方、我々は萎縮筋でsuperoxide anionやhydrogen peroxideが増加している事実をつきとめたが、鉄が増加するとさらに有害な・OHradicalが産生され、酸化ストレスにより筋萎縮が進行すると考えられる。
ルビジウムは必須微量元素とは認められていないが、その可能性が高いとされている元素である。ラットにルビジウム(8mg/kg diet)を与え11週間飼育した。その結果、筋肉中鉄濃度は低下し、肝臓および脾臓中銅濃度、精巣中亜鉛濃度は上昇した。血漿、脛骨中ではルビジウムが上昇し、カリウムが低下し、ルビジウムによるカリウムの置換が示唆された。また、血中尿素窒素が低下し、また、腎臓中銅濃度は減少したことはルビジウムが腎臓機能に影響を与えている可能性を示している。
セレンとマグネシウムの関係についても検討を加えている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] H.Kondo: "Trace element movement and oxidative stress in skeletal muscle strophied by immobiliqation." Am.J.Physiol.262. E583-E590 (1992)

  • [文献書誌] H.Kondo: "Role of iron in oxidative stress in skeletal muscle atrophied by immobiliqation." Pbluegers Arch.421. 295-297 (1992)

  • [文献書誌] 木村 美恵子: "鉄摂取量の違いによるマグネシウム欠乏ラットの血清生化学性状の変化" マグネシウム. 11. 19-29 (1992)

  • [文献書誌] 松田 晃彦: "ラット脳波,行動および脳内マンガン濃度に及ぼすマンガン多回投与の影響" Biomed.Res.Trace Elements.3. 29-39 (1992)

  • [文献書誌] 松田 晃彦: "完全静脈栄養用微量元素製剤TE-5の微量元素欠乏飼料飼育ラットに対する効果" 日本衛生学雑誌. 47. 695-703 (1992)

  • [文献書誌] 近藤 久雄: "廃用性筋萎縮における酸化的ストレスについて(ベルツ賞受賞論文)" Deutsche Mediqinische Wocehnschrift(日本語翻訳版). 15. 95-108 (1993)

  • [文献書誌] 糸川 嘉則,編集: "食品,食品添加物(毒性試験講座16)" 地人書館, 245 (1992)

  • [文献書誌] 糸川 嘉則,編著: "公衆衛生学(栄養士養成シリーズ)" 光生館, 223 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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