研究課題/領域番号 |
04404037
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
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研究分担者 |
森 敬一郎 京都大学, 医学部, 講師 (80159186)
近藤 久雄 京都大学, 医学部, 助手 (20205561)
横井 克彦 京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
木村 美恵子 京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
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キーワード | セレン / トルラ酵母 / ビタミンフリーカゼイン / マンガン / 輸液 / 必須微量元素 |
研究概要 |
セレンに関する研究:セレン欠乏ラットにおいて蛋白質源としてトルラ酵母を用いた場合とビタミンフリーカゼインを用いた場合について比較した。血漿、心臓、肝臓、腎臓、筋肉、骨中のセレン濃度および血漿、心臓、肝臓、腎臓中のgulutathione peroxidase活性はトルラ酵母食ラットの方がカゼイン食ラットより低値であった。また、セレン欠乏ラットをセレン充足ラットと比較するとカゼイン食群では肝臓、筋肉の鉄濃度が上昇し、血漿、心臓、骨中のマンガン濃度が低下した。トルラ酵母食群では血漿、心臓、肝臓、骨の鉄濃度が上昇し、脳、肝臓、骨中のマンガン濃度が低下した。即ち、セレン欠乏により鉄の上昇、マンガンの低下を主とするミネラル類のアンバランスが発生することが明らかになった。そして、トルラ酵母はセレン含有量が低いためビタミンフリーカゼインを用いる場合よりセレン欠乏になりやすいが、他の微量元素を多量に含むためその影響も考慮する必要があることが示された。 マンガンに関する研究:ラットを4群に分け以下のマンガン含有液を毎日4週間、尾静脈より投与した。(1)0mg/kg、(2)0.022mg/kg、(3)0.22mg/kg、(4)0.66mg/kg。各組織中マンガン濃度は用量依存的に増加した。脳中マンガン濃度は線条体で(4)群は(1)群の3.2倍、海馬で3.7倍、残脳で2.4倍に上昇した。しかし、行動および一般症状ならびに線条体、海馬および皮質の脳波に異常は認められず、さらに脳の病理組織学的な変化も認められなかった。今回、ラットに投与したマンガン量は体重で換算するとヒトの輸液に含まれるマンガン量の30倍に相当するから、この程度のマンガン量は重篤な副作用は示さないと思われる。
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