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1993 年度 実績報告書

精神疾患のプライマリ・ケア・サーベイ

研究課題

研究課題/領域番号 04404038
研究機関岡山大学

研究代表者

青山 英康  岡山大学, 医学部, 教授 (40032875)

研究分担者 津田 敏秀  岡山大学, 医学部, 助手 (20231433)
馬場園 明  岡山大学, 医学部, 助手 (90228685)
三野 善央  岡山大学, 医学部, 助教授 (80181965)
キーワードプライマリ・ケア / うつ病 / 精神保健 / 家族 / 感情表出 / 分裂病
研究概要

プライマリケアにおけるうつ病に関しては、第1回目調査に引続き第2回目調査を6カ月後に行った。研究対象は、第1回目調査に回答した地域診療所受診者全員276名とした。研究方法は第1回目と同じく、診療所における質問紙調査を行った。しかしながら、多くの患者が継続的な診療を受けておらず回収率が低かったので、郵送法を併用して回収率を高めた。有効回収数(率)は201(73%)であった。第1回目調査においてIDD(Inventory to Diagnose Depression)にてDSM-III-Rに基づく大うつ病と診断された16名の内、2回目調査に回答した者は13名であり、その内2回目調査においても大うつ病とされた者は6名(46%)であった。したがって、プライマリケアにおけるうつ病患者の半数以上はプライマリケアでの援助、もしくは自然寛解のために半年後にはうつ状態から脱していると考えられた。第1回目調査の結果と同様に、大うつ病は健康状態全般、運動能力、日常生活活動、社会活動、痛みの重篤度と関連していた。
家族の感情表出(Expressed Emotion,EE)と分裂病の経過に関しては、追跡の終了した52名の分裂病者において、9カ月追跡期間での再発リスクは家族のEEと関連していた。分裂病の再発と関連する可能性のある患者の性、年齢、罹病期間、入院回数、BPRSでの症状重篤度、薬物療法などと家族のEEを説明変数とし、再発の有無を目的変数として多変量解析をおこなったが、家族のEEは最も強力な再発予測要因であった。現在、2年の追跡期間での調査を継続している。また、EE評価訓練においては新たな評価者は資格を持った評価者との間の良好な信頼性および一致度を穫得し、日本語におけるEE評価訓練が有益であることが明らかとなった。また、EE評価の各下位尺度の国際比較において興味深い知見を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mino Y,Aoyama H,Froom J: "Depressive disorders in Japanese primary care patients" Journal of Affective Disorder. (1994)

  • [文献書誌] 三野善央,津田敏秀,青山英康: "一般健康集団での飲酒習慣と抑うつ/不安症状との関連" アルコール研究と薬物依存. 27. 242-258 (1992)

  • [文献書誌] 三野善央: "家族の感情表出研究からみた精神保健法" 心の臨床. 12. 29-33 (1993)

  • [文献書誌] 伊藤順一郎,三野善央 他: "日本におけるEE(感情表出)" 心の臨床. 12. 56-67 (1993)

  • [文献書誌] 三野善央,津田敏秀,馬場園明 他: "家族の感情表出評価の方法論" 精神科診断学. 4. 283-292 (1993)

  • [文献書誌] 三野善央,津田敏秀,馬場園明,青山英康 他: "家族の感情表出研究をめぐる最近の進歩" 臨床精神医学. 23. 125-133 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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