研究課題/領域番号 |
04404038
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青山 英康 岡山大学, 医学部, 教授 (40032875)
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研究分担者 |
津田 敏秀 岡山大学, 医学部, 助手 (20231433)
青山 省三 岡山大学, 医学部, 助教授 (80144749)
三野 善央 岡山大学, 医学部, 助教授 (80181965)
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キーワード | プライマリ・ケア / うつ病 / 精神保健 / 家族 / 感情表出 / 分裂病 |
研究概要 |
プライマリ・ケアにおけるうつ病に関しては、日本、米国、イスラエルのプライマリ・ケア場面におけるうつ病の有病率を比較検討した。わが国の対象者は過去に報告した307名の地域のプライマリ・ケア診療所受診者とした。米国の対象者は、ニューヨーク州立大学家庭医学外来を受診した312名とし、イスラエルの対象者は312名のプライマリ・ケア外来受診者とした。対象者に対してうつ病診断調査票(Inventory to Diagnose Depression,IDD)、および健康機能評価表(Dartmouth COOP Functional Health Assessment Charts)の日本語版、英語原版、ヘブライ語版を施行した。有効回収数(率)はわが国では302名中275名(90%)、米国では312名中302名(97%)、イスラエルでは312名中207名(66%)であった。大うつ病有病率は、米国13%、日本6%、イスラエル3%、小うつ病まで含めたうつ病有病率は、米国29%、日本13%、イスラエル9%であった。また、すべての国でうつ病と健康機能は関連していたが、うつ病者の健康状態あるいは機能は国間で異なっていた。プライマリ・ケアでのメンタルヘルス・ケアの重要性が国際的に明らかになったが、サービス提供は文化的背景を重視して行われる必要があると考えられた。 分裂病と家庭の感情表出(EE)との関連については、EE下位尺度の国際的比較を行った。わが国では、西洋文化圏と比較して批判、および情緒的巻き込まれ過ぎの割合が低く、したがって高EE家庭の割合も低くなっていた。こうした特徴はインドの特徴に近似したものであったが、下位尺度間の関連の仕方は西洋文化圏と酷似したものであった。これは、わが国の分裂病者の家庭がアジア的な家族と西洋先進国の家族との中間的な位置にあることを示していると考えられた。また、2年間のコホート研究においても、分裂病の再発は家族のEEと関連していた。比較文化的な視点を必要としながらも、分裂病の経過と家族のEEとの関連は普遍的であることを示唆する結果であった。
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