研究課題/領域番号 |
04404039
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
太田 善介 岡山大学, 医学部, 教授 (90032870)
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研究分担者 |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
柏原 直樹 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10233701)
池田 修二 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10212771)
小倉 俊郎 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80214097)
槙野 博史 岡山大学, 医学部, 助手 (50165685)
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キーワード | 腎臓 / 糸球体基底膜 / 微細構造 / 電子顕微鏡 / 細胞外マトリックス / インテグリン / 遺伝子 / メサンギウム |
研究概要 |
1.1)正常ヒト腎組織及びネフローゼ患者の腎生検組織を、太田が最近確立したtissuenegative staining法を用いて観察した。正常腎糸球体基底膜(GBM)では、細線維によって構成される微細な網目構造が観察され、網目は直径2-3nmの小孔であった。ネフローゼ患者のGBMでは、この微細な網目構造が拡大し、血管腔から尿路腔へ貫通する直径20-100nmのトンネル様構造が認められた。このトンネル様構造の直径が、アルブミン分子の直径よりはるかに大きいことから、血清中のタンパク分子がトンネル様構造を通過して尿路腔へ逸脱することが、ネフローゼ症候群における蛋白尿の成因であると考えられた。 2)高分解能走査電顕、超高圧電顕を用いて、分離精製したGBM及びdetergent処理後の糸球体を観察した。さらに、IV型コラーゲン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、フィブロネクチンに対する抗体を用いて、GBMの構成成分を免疫電顕により検討した。その結果、GBMは主にIV型コラーゲンによって構成される3次元的網目構造をもつことが証明された。 2.腎組織におけるICAM-1の遺伝子発現をRNAプローブを用いたin situ hybridization法(ISII法)により検討した。馬杉腎炎ラットの腎組織では、糸球体及び小血管にICAM-1のmRNΛの発現を認めた。今後、同様の手法により、腎組織におけるIV型コラーゲンの各chainの遺伝子発現をISII法により検討する予定である。 3.β1インテグリン(VLA)及びビトロネクチンレセプター(VNR)の局在とその変化を、正常ヒト及び糸球体腎炎患者の腎組織を用いて、免疫組織学的に検討した。正常糸球体では、β1インテグリン及びVNRは、メサンギウム細胞、上皮及び内皮細胞、ボウマン嚢上皮細胞に発現が認められ、メサンギウム増殖性糸球体腎炎においては、増殖したメサンギウム細胞にVLA及びVNRが強く染色され、また半月体を形成する細胞にはVNRが強く染色された。インテグリンは、糸球体の構築のみならず、メサンギウム細胞増殖及び細胞外基質の増加に関与していることが示唆された。
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