研究分担者 |
下濱 俊 京都大学, 医学部, 助手 (60235687)
福山 秀直 京都大学, 医学部, 講師 (90181297)
梶 龍兒 京都大学, 医学部, 講師 (00214304)
秋口 一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (30115779)
柴崎 浩 京都大学, 医学部, 教授 (30037444)
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研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態を探るため、本年度はさらに多くの患者をエントリーした。特に研究分担者梶らはALSの特徴の一つである発症早期から表れる巨大なfasciculationの起源を大脳磁気刺激法を用いて調べ、少なくともその一部は大脳皮質にあることをつきとめた(Kaji et al.Ann Neurology,in press)。このことは本症では大脳皮質の上位運動ニューロンの変性が一次的に起こるとする“Eisen仮説"をうらづけるものと考えられる(Kaji,Kimura,Muscle Nerve 1993)。同じく磁気刺激法を用いて幸原・梶らは下位運動ニューロンの発火パターンの分析から、本症の早期には興奮性が異常に亢進することをつきとめ、発症機序に興奮性アミノ酸であるグルタミン酸が関与している可能性が示唆された。本症と似て非なる病態の研究としてMultifocal Motor Neuropathyで局所的に血液神経関門に障害があることを見出した(Kaji et al,Muscle Nerve 1994)。梶と秋口、福山らは脊髄萎縮を伴なう一側性上肢筋萎縮症がMultifocal Motor Neuropathyと同様の免疫学的な発症機序をもつ可能性を指摘した(Kaji et al in preparation)。治療に関しては超大量のビタミンB_<12>静注法がALSの進行を遅延させる可能性が見出されたため、その前段階の動物実験としてアクリルアミドニューロパチーにて、同療法が回復に与える影響を調べた(Watanabe,Kaji et al J.Neurol.Sci 1994,in press)。
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