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1994 年度 実績報告書

急性膵炎発症機構の分子レベルでの解明とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 04404052
研究機関神戸大学

研究代表者

斉藤 洋一  神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)

研究分担者 竹山 宜典  神戸大学, 医学部, 助手 (70263374)
山本 正博  神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
大柳 治正  近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
キーワード急性膵炎 / 細胞骨格 / 微小管 / 低分子量GTP結合蛋白質 / セルレイン誘起膵炎
研究概要

本研究は、膵腺房細胞の小胞輸送機構と低分子量GTP結合蛋白であるrabllp24に注目して、急性膵炎の発症機構を分子レベルで解明しようとするもので、昨年度までに、胆石性膵炎のモデルと考えられるセルレイン誘起膵炎に胆管閉塞を加えたモデルを確立し、このモデルにおける細胞内小胞輸送機構の障害について解析した。さらに膵外分泌におけるrabllp24の動態を解析し、さらにラットを用いたセルレイン誘起膵炎時の膵腺房細胞における細胞骨格系の障害を解析してきた。平成6年度は、昨年度までの研究成果を受けて研究を行い、最終的に以下の成果を得た。
1.微小管形成阻害剤であるコルヒチン投与時の膵腺房細胞における小胞輸送の状態をセルレイン誘起膵炎と比較した。セルレイン誘起膵炎における小胞輸送障害は微小管安定化剤タキソ-ル投与でほぼ完全に消失し膵炎は発症しなかったが、コルヒチン投与では微小管は破綻し著明な分泌抑制が認められるが、急性膵炎は発症しなかった。
2.セルレイン誘起膵炎時には、正常時に見られるrabll p24の可溶性画分から分泌顆粒への移行現象が抑制され、この抑制現象はタキソ-ル投与でも回復しなかった。
以上の結果より、急性膵炎時には腺房細胞における微小管を介した小胞輸送のうちrabllp24と結合する部位での、小胞輸送障害でありこの部分でrabll p24の可溶性画分から分泌顆粒への移行が抑制されていることが急性膵炎発症の一因となっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 足立雅尚ほか: "急性膵炎の重症化に及ぼす胆膵管閉塞の影響" 日本消化器外科学会雑誌. 26. 56-63 (1993)

  • [文献書誌] 竹山宜典ほか: "実験モデルからみた急性膵炎の発症機序" 胆と膵. 14. 1021-1029 (1993)

  • [文献書誌] 上田隆ほか: "Effect of a microtubule disrupting drug colchicin on rat caerulein-induced pancreatitis in comparison with a microtubule stabilizer taxol" Pancreas. (印刷中).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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