1994 年度実績報告書

次世代-分散型-人工心臓の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号	04404054
研究機関	東京大学
研究代表者	井街宏東京大学, 医学部(医), 教授 (10010076)
研究分担者	鎮西恒雄東京大学, 医学部, 助手 (20197643) 満渕邦彦先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349) 藤正巖先端科学技術研究センター, 教授 (30010028) 今西薫東京女子医科大学, 附属第二病院, 助手 (70168516) 阿部裕輔東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
キーワード	人工心臓 / 分散型人工心臓 / 人工心臓の制御 / 血液ポンプ / 表面プラズモン顕微鏡 / カテコラミンセンサ / 微小循環
研究概要	本研究は、今までと180度発想を転換して、生体心臓より優れた機能を有する人工心臓を開発することを目標とするもので、その一つのアイデアとして分散型人工心臓を取り挙げ、種々の基礎研究を行ない、その実現のための必要条件を明らかにすることを直接の目的としている。本年度は以下の研究を行なった。 1.新しい方式の人工心臓ポンプの研究分散型人工心臓には小形化可能な血液ポンプと弁が必要である。血液ポンプに関しては小形容積型連続流血液ポンプと流れ変換型拍動流完全人工心臓の二つのシステムの基礎開発と評価を行なった。前者は、モータの回転によって揺動運動する円盤によって血液を吸引・拍出しようとする新しい原理のポンプであり、試作したポンプの流れの解析、動物実験による溶血の試験を行なった。後者は連続流ポンプの流入・流出口に三方切り替え弁を置き、単一のポンプで左右両心を拍動流で駆動するものであるが、その切り替え弁の方式と血液の混合率に関して種々の検討を行なった。弁に関しては、すでに開発したJellyfish弁の膜厚と性能の関係を明らかにした。。 2.評価のための基礎的研究分散型人工心臓の評価のために、(1)表面プラズモン顕微鏡を開発し、材料表面に吸着するタンパクの挙動を調べた。(2)血中カテコラミンを連続計測するためのマイクロセンサの開発を行ない、その感度や抗血栓性について検討した。(3)微小循環を覚醒状態で長期・連続的に観察する新しい原理のプローブの開発を行なった。 3.人工心臓の制御方法の研究昨年に引き続いて1/R制御方法の研究をヤギを用いて行なった。現在、この制御方法下でヤギは260日を越えて元気に生存中であり、本制御方法の妥当性が証明された。

研究成果

(10件)

すべてその他

すべて文献書誌 (10件)

[文献書誌] Yusuke Abe: "Can Total Artificial Heart Animals Control Their TAH by Themselves? One Year Survival of a TAH Goat Using a New Automatic Control Method(1/R Control)" ASAIO Journal. 40. 506-509 (1994)
[文献書誌] Kou Imachi: "A New Apparatus for Chronic Observation of the Microcirculation In Situ to Evaluate Artificial Organ Performance" ASAIO Journal. 40. 757-761 (1994)
[文献書誌] 阿部裕輔: "小型容積型連続流血液ポンプ(PDP)の完全埋込型人工心臓への応用" 人工臓器. 23. 25-29 (1994)
[文献書誌] 磯山隆: "流れ変換型拍動流完全人工心臓システムの開発-血液混合の少ない連続流ポンプの開発-" 人工臓器. 23. 60-64 (1994)
[文献書誌] 鎮西恒雄: "抗血栓性材料表面における電界のタンパク吸着に及ぼす影響" 医用電子と生体工学. 32. 169- (1994)
[文献書誌] K.Mabuchi: "USE OF A CATECHOLAMINE SENSOR IN THE CONTROL OF AN ARTIFICIAL HEART SYSTEM." The International J.of Artificial Organs. (印刷中).
[文献書誌] 井街宏: "人工心臓用Jellyfish弁のバイオメカニクス的解析" 医用電子と生体工学. 32. 154- (1994)
[文献書誌] 阿部裕輔: "完全置換型人工心臓ヤギの1/R制御方法による長期生存" 人工臓器. 23. 1070-1076 (1994)
[文献書誌] T.Isoyama: "NEW VERSION OF FLOW TRANSFORMED PULSATILE TOTAL ARTIFICIAL HEART HAVING NO ELECTRICAL SWITCHING VALUE" Artificial Organs. (印刷中).
[文献書誌] Y.Abe: "BASIC STUDY OF BLOOD COMPATIBILITY OF PDP PROTOTYPE FOR THE ANIMAL EXPERIMENT" Artificial Organs. (印刷中).

1994 年度 実績報告書

次世代-分散型-人工心臓の開発に関する基礎的研究

研究代表者

井街 宏 東京大学, 医学部(医), 教授 (10010076)

研究成果

[文献書誌] Yusuke Abe: "Can Total Artificial Heart Animals Control Their TAH by Themselves? One Year Survival of a TAH Goat Using a New Automatic Control Method(1/R Control)" ASAIO Journal. 40. 506-509 (1994)

[文献書誌] Kou Imachi: "A New Apparatus for Chronic Observation of the Microcirculation In Situ to Evaluate Artificial Organ Performance" ASAIO Journal. 40. 757-761 (1994)

[文献書誌] 阿部裕輔: "小型容積型連続流血液ポンプ(PDP)の完全埋込型人工心臓への応用" 人工臓器. 23. 25-29 (1994)

[文献書誌] 磯山隆: "流れ変換型拍動流完全人工心臓システムの開発-血液混合の少ない連続流ポンプの開発-" 人工臓器. 23. 60-64 (1994)

[文献書誌] 鎮西恒雄: "抗血栓性材料表面における電界のタンパク吸着に及ぼす影響" 医用電子と生体工学. 32. 169- (1994)

[文献書誌] K.Mabuchi: "USE OF A CATECHOLAMINE SENSOR IN THE CONTROL OF AN ARTIFICIAL HEART SYSTEM." The International J.of Artificial Organs. (印刷中).

[文献書誌] 井街宏: "人工心臓用Jellyfish弁のバイオメカニクス的解析" 医用電子と生体工学. 32. 154- (1994)

[文献書誌] 阿部裕輔: "完全置換型人工心臓ヤギの1/R制御方法による長期生存" 人工臓器. 23. 1070-1076 (1994)

[文献書誌] T.Isoyama: "NEW VERSION OF FLOW TRANSFORMED PULSATILE TOTAL ARTIFICIAL HEART HAVING NO ELECTRICAL SWITCHING VALUE" Artificial Organs. (印刷中).

[文献書誌] Y.Abe: "BASIC STUDY OF BLOOD COMPATIBILITY OF PDP PROTOTYPE FOR THE ANIMAL EXPERIMENT" Artificial Organs. (印刷中).

1994 年度実績報告書

井街宏東京大学, 医学部(医), 教授 (10010076)