研究課題/領域番号 |
04404058
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金田 清志 北海道大学, 医学部, 教授 (60000957)
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研究分担者 |
白土 修 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (20206296)
但野 茂 北海道大学, 工学部, 助教授 (50175444)
伊福寺 達 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70002102)
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キーワード | 車椅子 / 身体障害者 / 脊髄損傷 / リハビリテーション / リハビリテーション工学 / 生体力学 |
研究概要 |
身体障害者の冬期間における最適な屋外移動手段を研究する端緒として、アンケートによる実態調査を行った。対象は、脊髄損傷患者、神経筋疾患患者、および老人を含む667名である。この中で、回答内容で適切であり回答率の最高であった脊髄損傷者99名の解析結果を報告する。年齢は平均54.4歳と比較的高齢者が多かった。性別は男性が94.3%であり、活動性の高い男性が本研究課題に最も関心の高いことが判明した。冬期間に外出の機会ありとの回答は62.9%で、外出頻度は一日のうち平均40分、一週間のうち平均3.6日であった。移動手段は自動車が多くを占めたが、約17%は主に車椅子のみの使用であった。外出目的は、通勤、通院、買い物等日常生活の多岐にわたり、不自由を感じながらも外出を余儀なくされているのが現状である。車椅子での冬道歩行中に何らかの危険を体験した例は52.5%であり、スリップによるものが78.1%と最多であった。外出時の身体的問題を指摘した例は39.1%で、寒さによる下肢のしびれや痛みの訴えが最多であった。以上の結果より、身障者の冬期間屋外移動に対するニーズは大きく、その開発に際しては車椅子の走行性の改善と同時に、防寒その他使用者の身体面における安全対策も必須であることが判明した。その他道路や公共施設の不備を指摘する回答結果も多かった。より快適な冬期間屋外移動手段の開発は、ユーザー各層のニーズを更に喚起し、ひいては環境設備の充実をもたらすと思われる。 同時に、既存の手動車椅子を用いて力学的構造解析を行った。車椅子乗車時の最大応力は、バックレスト使用時にはバックパイプとシートサポートの接合点、非使用時はバックパイプの駆動輪車軸取り付け位置とクロスバーの接合点に生じた。このデータも参考に冬期間の最適車椅子設計にあたる計画である。
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