研究分担者 |
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 助手 (70245801)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
阿部 悦子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (70119147)
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研究概要 |
抗クル病因子として発見されたビタミンD_3は、まず肝臓で25位が、ついで腎臓で1α位が水酸化を受けて最終的な活性型代謝産物、1α,25-ジヒドロキシビタミンD_3[1α,25(OH)_2D_3]に変換され作用を発揮する。1α,25(OH)_2D_3は小腸からのカルシウム吸収促進、骨においては破骨細胞の形成を介した骨のリモデリング促進によって、骨組織の正常化に関与している。 ビタミンD欠乏のニワトリの腎臓から1α-水酸化酵素の精製を行いturnover rate4まで精製した。しかし、SDS-polyacrylamide gel電気泳動により精製度を調べたところ2〜3のminor bandが存在した。そこで、最終的にelectroblotting法により蛋白を回収し、N-末端アミノ酸配列を決定した。現在、アミノ酸配列により推定されるオリゴプローブを作製し腎臓のcDNAライブラリーより本酵素の全cDNAをクローニングしている。 破骨細胞誘導因子は、活性型ビタミンD,PTH,IL-1の作用により骨芽細胞の表面に誘導局在する蛋白性因子と考えられる。我々は、IL-1等の種々の因子によって骨芽細胞を刺激するとIL-6合成が促進すること、頭蓋冠の骨吸収をIL-6が促進する結果などから、破骨細胞形成に対するIL-6受容体を介した共通のシグナル伝達物質の解析を行った。その結果、IL-6は可溶性IL-6受容体の存在下で破骨細胞形成を促進することが明らかになった。そこで、IL-6が細胞内情報伝達にgp130を介することから、IL-6以外のgp130タンパク質をシグナル伝達物質としているIL-11,LIF,oncostatin Mについて同様の検討を行った。その結果、IL-11,LIF,oncostatin MもIL-6同様破骨細胞形成を促進することが明らかになった。現在gp130を介して形成されると考えられる破骨細胞誘導因子の分離・同定を行っている。
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