研究概要 |
口腔癌患者LAK養子免疫療法による免疫能の評価: 手術、放射線、化学療法にLAK養子免疫療法を併用した口腔癌症例について、末梢血中の免疫学的検査値の変動を調べた。測定項目はCD2,CD3,CD4,CD8,CD11b,CD56,CD57,NK活性などである。手術例では一時的な白血球の増加をみるがその後低下し、LAK養子免疫療法を行うと白血球に対しては影響しないが、リンパ球数は増加する。NK活性はリンパ球数と連動した。化学療法後LAK養子免疫療法群では同様に低下した白血球は変化せず、リンパ球数が増加し、CD11b、CD16、CD56が増強した。LAK免疫療法による宿主免疫能の回復効果が示唆された。 Costimulatory分子を介する口腔癌の免疫機構の解析: T細胞を活性化させるCostimulatory因子として、T細胞上のCD28/CTLA-4とそれに結合するB細胞や抗原提示細胞上のCD80,CD86が重要な働きをしていることが明かとなり、腫瘍免疫におけるこれらの役割について研究した。マウス肥満細胞株P815および線維芽細胞株L cellにヒトCD80,CD86遺伝子を導入し、高発現株を得、CD80-P815,CD86-P815存在下に抗CD3抗体によって誘導されるT細胞の増殖とIL-2、IFNγの産生をみると両者に差がなかった。CD80と86はT細胞のCostimulatory因子としては同等の能力を示すことが明かとなった。
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