研究概要 |
1.ウナギのANP受容体の構造決定: 平成5年度までにウナギANP受容体の3つのサブタイプのうちB型の構造を決定していたが,本年度はC型受容体もクローニングできた。哺乳類のC型受容体とはアミノ酸で約60%のホモロジーがあった。その構造を比較すると,システイン残基と糖鎖付加部位の位置と数とに違いがあった。点突然変異体の作製により2量体を形成するジスルフィド結合の位置を調べたところウナギ受容体では哺乳類と異なり第一ループ内のシステイン残基間で架橋していた。海水と淡水ウナギでのC型受容体の組織発現を調べると主に脳,エラ,心房,及び心室に発現しており,淡水型でより多くの発現が認められた。これらの結果はウナギC型受容体が浸透圧の調節に間よしていることを示唆するものである。 2.魚類におけるエンドセリン受容体の存在: 哺乳類と両生類でしか解析さなていないエンドセリン受容体のマスにおける組織分布とサブタイプの同定を行なった。エンドセリン受容体はエラ,心臓,腎臓,肝臓の各組織に大量に存在し,ET-1>>ET-3の親和性を有していたことから,A型受容体であることが判明した。
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