研究課題/領域番号 |
04404085
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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研究分担者 |
平野 賢一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
平岡 久豊 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
竹村 芳 大阪大学, 医学部, 助手 (00161240)
徳永 勝人 大阪大学, 医学部, 助手 (70159044)
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キーワード | Reverse Cholesterol Transport(コレステロール逆転送系) / Hyperalphaliroproteinemia(高HPL血症) / Cholesteryl Ester Transfer Protein(コレステリルエステル転送蛋白) / High Dousity Lipoprotein(高比重リポ蛋白) / 肝性リパーゼ / 動脈硬化 |
研究概要 |
高比重リポ蛋白(HDL)を介した動脈硬化防御機構として、末梢組織に蓄積したコレステロールを汲み出し、最終的に肝臓へと輸送するいわゆるコレステロール逆転送系が最も重要であると考えられている。我々は、高HDL血症をコレステロール逆転送系障害のモデルとして検討し、高HDL血症の中からコレステリルエステル転送蛋白(CETP)欠損症や肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)低下に関連した高HDL血症を発見し、そのリポ蛋白代謝異常、遺伝子異常について明らかにしてきた。本年度は、CETP欠損症の遺伝子解析をさらに推し進め、新しいミスセンス変異を発見し、本変異が本邦では高頻度に存在することも確認した。また、我々が代謝異常に基づく高HDL血症症例として世界に先駆けて報告した症例が同変異のホモ接合体であることをも発見した。さらに、冠動脈疾患を合併したCETP欠損症では、HTGL低下を伴っていることも明らかにした。また、秋田県大曲市周辺において高HDL血症が他の地域の10倍以上の高頻度であることを見いだし、同地域においてCETP遺伝子イントロン14スプライス異常が著しく集積していることを発見した。また、コレステロール逆転送系のターミナルである肝細胞とHDLとのinteractionについても検討し、HDLが末梢組織とは異なり肝臓では異化を受けることをも明らかにした。さらに、原発性胆汁性肝硬変症では、著しい高HDL血症を生じるにもかかわらずCETP欠損症とは逆にCETPが著しく増加していることも報告した。
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