研究分担者 |
小泉 均 財団法人実験動物中央研究所, 室長代理 (80167395)
谷岡 功邦 財団法人実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 室長 (10072406)
伊藤 守 財団法人実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
加藤 秀樹 財団法人実験動物中央研究所, 室長 (30142053)
玉置 透 東京医科大学, 八王子医療センター, 部長
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研究概要 |
1.移植免疫研究用ラット系統の収集、選択、標準化、維持ならびに保存に関する検討 現在までに50系統のラットが収集された。このうち移植免疫研究に必要な主要系統として、LWE,BN/SsN,ACI/N,DA,WF/N,BUF/N,WKAH,F334/N,WM/Msの9系統が選ばれた。なお、DAを除く8系統は国際的な共通レファレンス系統として標準化された。導入した系統はいずれも遺伝学的・微生物学的モニタリングが実施されており、いずれも良好な結果を得ている。なお、現在保存されているラットの受精卵は合計47系統,6,997胚にのぼった。 2.免疫抑制剤の効果判定のための動物実験系の確立 ラットの頚部に別のラットの心臓を移植するダブルハート法による異所性心移植を施して開発中の免疫抑制剤を投与し、移植した心臓の生着日数を指標として薬剤の効果判定を行う方法を採用することとし、その技術の習得ならびに判定方法の検討を行った。心臓移植においては、99%の成功率を得るに至った。 移植心臓の停止の判定方法に関しては、心臓を移植した部位を皮膚を介して指で直接触れて心拍の振動を感じ取る方法と、移植部位の拍動を心電計で捕らえる方法とを比較検討した。 一方、主要系統の種々の組み合わせによる心移植成績の比較検討により免疫抑制剤の効果を最も客観的に評価可能な組み合わせを探る課題においては、本年度はF344,LEW,ACIおよびBNの4系統について検討した。それぞれの系統をドナー、レシピエントにして心移植を実施したところ、5〜6日で拒絶を示す強拒絶系と、さらに9〜10日まで拒絶の延長する弱拒絶系とがあることが判った。いまのところ、強拒絶系のACI×LEWの組み合わせなどが明確な判定のできる良い系になりえると考えられた。
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