1)X線回折計の整備。 『回折X線記録部』の購入により、既有の部分と統合することにより、イメージング・プレートX線回折計が完成し、極めて良好なデータがとれるようになった。 2)コンピューター・グラフィックス装置の整備。 既有のIRIS25TG型に、今回購入の『CPU上級化システム』を組み合わせることにより、蛋白分子像の描画性能が飛躍的に向上した。 3)マウスのインターフェロン-βの構造精密化。 新たに重原子の位置の見直しを行ない、また溶媒平準化法の適用法を見直すことにより、格段に良い電子密度分布図を得ることが出来た。 これにより、従来あいまいさの残っていたA-らせんの構造の誤を正することが出来、また約70個の溶媒分子の位置を正確に決めることが出来た。 4)ヒトのインターフェロンβの結晶化の試み 新たに調製した試料についてS-S架橋を介する二量体の混入を疑って、電気泳動法による分析を行った。 その結果、約10%の二量体及び不規則な凝集体の存在が明らかとなった。 これにより、ヒトのインターフェロン-βが結晶化しない原因が突き止められたことになる。今後は、種々の界面活性剤や還元剤を用いて、一量体のみを含む試料の調製法を工夫する予定である。
|