1)X線回折計の整備。 その後、真空系統の動作不良に一時的に悩まされたが、この問題は、磁気シールの交替によって解決し、現在は極めて順調に稼働している。 2)精密化したマウス・インターフェロン-βの構造にもとづく構造-活性相関データの整理。 現在までに、インターフェロン-α及び-βについて蓄積されて来た多数の構造活性データの文献検索を徹底的に行った。これらを、用いられた手法で分類すると、a)部異特異的突然変異、b)ハイブリッド・スキャンニング、c)免疫学的手法、d)フラグメント化、などに分けられる。 3)上記の2)の作業の結果として、インターフェロン-β分子中で、リセプターとの結合に関与している可能性が高い部位は、a)ABループ、b)Dヘリックスの後半(C-末端側)及びc)DEループであることが、最終的に確定した。 4)長い柔軟なCDループの短縮による、生物活性改善の試み。 具体的に105-109のアミノ酸残基の削除や、99-103の削除を試みたが、後者については、インターフェロン蛋白質の発現そのものが抑制されることが分った。また前者については、抗ウィルス活性が約1/10に減少してしまうことが分った。今後は、新たな糖鎖の附加による血中寿命の延長などを、主な戦略とするべきと考えられる。
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