研究課題/領域番号 |
04404089
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中川 功哉 北海道大学, 教育学部, 教授 (50001798)
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研究分担者 |
須田 力 北海道大学, 教育学部, 助教授 (90091470)
福地 保馬 北海道大学, 教育学部, 教授 (50001897)
森谷 潔 北海道大学, 教育学部, 教授 (40000939)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 縦断方法 / 運動継続 / 持久性体力 / 最大酸素摂取量 / 寒冷気曝露実験 / 寒冷体温調節反応 / 熱産生性体温調節反応 / 熱放散性体温調節反応 |
研究概要 |
本研究は体温調節機能に与える運動継続の影響を縦断的に検討し、運動による体温調節機能の発達および発達した機構を究明することを目的として行なわれた。従来、体温調節機能に与える運動継続の影響について、青年並びに動物について研究を進めてきたが、本研究においては人工気象室の設置により、ヒトの抹消レベルとともに全身レベルの体温調節機能が検討されることとなった。 1992年(平成4年)に基礎実験を行い、人工気象室の設置を待って、1993年(平成5年)春に縦断研究を開始した。大学運動部員として規則的に持久的鍛練を行い始めた一年生を対象に、4-5月は鍛練開始前の最大酸素摂取量の測定と耐寒テストを行い、以後7月、12月、2月(1994年)に同様の実験を行った。1年間に4回の測定を行って、縦断的に最大酸素摂取量で表される持久的体力の発達と熱産生性と熱放散性体温調節機能の改善を検討した結果の概要は以下のようである。 本実験被験者の最大酸素摂取量の発達のピークは12月であった。2月に測定した最大酸素摂取量の値は12月のそれより小さかったので、体温調節機能の改善と運動継続による持久的体力発達の関連を、4-5月の値と12月の値を比較・検討することで行った。最大酸素摂取量値の上昇は全身寒冷気曝露実験中の体温調節反応において、酸素摂取量を増大させ、両者の間に正の有意な相関関係が認められた。また12月の寒冷気曝露実験では高い平均皮膚温と高い皮膚熱伝導率を示した。縦断研究によるこれらの事実の把握が、本研究の重要な意義と考える。なお年変動として、2月の寒冷気曝露実験の結果で12月と類似した反応を観察した。 われわれは実に多くのさまざまな外部環境刺激により、体に内在する潜在能力を高めているが、寒冷とからだの課題に運動を介在させたこのような研究を今後も推進していく必要がある。
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