研究課題/領域番号 |
04404091
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇井 理生 東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
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研究分担者 |
多田 周右 東京大学, 薬学部, 助手 (00216970)
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 助手 (80142751)
榎本 武美 東京大学, 薬学部, 助教授 (80107383)
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キーワード | G蛋白質 / Caチャネル / 肝蔵細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / HL-60細胞 / 3T3細胞 / 百日咳毒素 |
研究概要 |
成熟ラット肝細胞の初代培養において、低細胞密度培養時に見られる細胞増殖(G_0/G_1期よりS期への移行)は別途精製した肝細胞原形質膜の添加により抑えられ、細胞は分化した。この活性因子は細胞膜表層の糖蛋白質であり、糖鎖先端のガラクトースが同じ糖蛋白質に結合した結果増殖が抑えられ分化型となる。幼若ラットの細胞表層の糖鎖先端のガラクトースにはシアル酸が結合しており、この効果を示さない。シアル酸を酵素的に脱離させると活性が現れ、逆に活性のある成熟ラット肝細胞膜の糖鎖にシアル酸を結合させると活性が消失した。この糖蛋白質の精製は現在進行中である。3T3細胞において、Ca^2 ^+動員系も、cAMP生成系も、コンピーテンス因子としてインシュリン、EGFなどブログレッション因子共存時に、細胞周期をG_0からS期へ進行させる。これらコンピーテンス因子受容体刺激はいずれも細胞外からのCaの流入を促進するが、この流入が3つのタイプに分類されることを見出した。ブラジキニン、トロンビン、アンジオテンシンは、百日咳毒素感受性のG蛋白質を介してCaチャネル(ROC)を開口する。この時同時にホスホリパーゼA_2が活性化される。ボンベシンはホスホリパーゼCを活性化し、生成したIP_3が細胞内貯蔵部位からCaを放出させ、その結果Caチャネル(refillチャネル)が開口する。PGE_1はGsを介して別のCaチャネルを開き、このチャネルを通って細胞内に入ったCa^2^+が二次的にホスホリパーゼCを活性化する。これら性質の異るCaチャネルの開閉動態に関しては、パッチクランプ法による解析を計画中である。HL-60細胞の単球または顆粒球への分化については、それだけでは分化しない低濃度のレチノイン酸や活性型ビタミンD_3とともに2時間培養すると許容状態になり、同じく単独では分化作用をもたない多くの細胞膜受容体アゴニストに応答するゆうになった。
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