研究課題/領域番号 |
04404092
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
|
研究分担者 |
巽 純子 京都大学, 医学部, 助手 (80128222)
塚田 俊彦 京都大学, 医学部, 助手 (10207334)
宮越 順二 京都大学, 医学部, 講師 (70121572)
|
キーワード | 磁場 / 電極 / 遺伝子発現 / 突然変異 / DNA鎖切断 / アタキシア・テランジェクタシア |
研究概要 |
磁場の生物・人体への作用は多くの研究がなされているにもかかわらず未知の部分が多い。これは磁場の作用を高感度に検出する生物学的指標がこれまで知られていないことによる。われわれは、磁場単独では効果がみられないが、他の物理学的、化学的要因の作用の修飾が検出できる可能性を検討することを本研究の目的とした。本研究は、3年計画の1年目に実験系の確立、2年目にそれを用いた作用の検出、そして最終年度に当たる本年度は作用の分子機構の解明をめざした。磁場の作用は2つの方法で生物学的に確実に検出できることがわかった。第一は遺伝子発現の促進であり、磁場単独でもわずかにみられるが、他の作用原で誘導された遺伝子発現を磁場がさらに促進することが示された。それは遺伝子発現の初期(誘導から1時間以内)にみられた。これまで不確実であった磁場による遺伝子突然変異の誘発は、磁場によって生起される誘導電流によって確実に生じることが示された。しかもそれは放射線と相乗的に働き、磁場が間接的に突然変異頻度を高めることが明らかになった。これらの結果は磁場がタンパク質のリン酸化の過程に作用していることを示唆している。
|