平成4年度に構築したモデルに基づいたシュミレーションを実行するためのプログラムの開発、その結果の分析シュミレーションの有効性の検証を中心に研究を行った。 (1)シュミレーション用プログラムの開発 シュミレーションの結果を数値だけでなく、それらの数値をもとに遺跡の分布をグラフィカルに表示するためのプログラムを含め、シュミレーション実行のためのプログラムの開発をおこなった。 (2)遺跡データベースの拡大・拡充 遺跡データベースとして構築する地域の拡大を図り、内容についても、新たな項目の追加などの拡充をおこなった。 (3)知識ベースの導入とそのモデルへの反映 最初に構築したモデルは、自然環境条件のみを変数とし、またモデルを単純化するために、遺跡の規模や内容(時代区分を除く)についてはその違いを無視した。これでより具体的で詳細な検証を行うには十分でないので、遺跡の規模や内容(集落址や墓址などの遺構や、鉄器や青銅器の遺物など)、あるいは一定の地域内における遺跡の連続性(縄文から弥生、古墳までの遺跡が存在しているといったこと)などの考古学的知見を整理、分析し、それらを知識ベースとして構築することを試みた。また、この知識ベースを反映できるシュミレーション・モデルについて検討し、その構築を試みた。 (1)、(2)についてはほぼ計画通りの成果を挙げることができたが、(3)についてはデータ量が膨大なため十分な成果を挙げることができなかった。ただ、今後の検討のための基礎資料を得ることはできた。
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