研究概要 |
1.高圧下の液体中の電子移動度および電子捕捉反応速度測定システムの立ち上げを完了した。レーザー照射およびXeフラッシュ・ランプ照射により,テトラメチルシラン(TMS)中で電子移動度とCO_2による電子捕捉反応速度を測定して,システムが順調に働くことを確認した。 2.構造異性体n-ヘキサンと2,2-ジメチルブタンの1:1混合液体中で電子移動度を測定し,この濃度では電子移動度の大きさは1cm^2/V・secで,局在化状態が優勢であることを見いだした。 3.高圧下でもn-ペンタン-N_2,TMS-N_2飽和溶液中で電子捕捉は観測できなかった。 4.現在,高圧測定用ベロウズ付き伝導度セルに漏洩が発生し,交換用部品を発注,納品待ちの状態にある。 5.NaK合金を蒸着した電極で,低圧水銀灯定常照射乃至Xeフラッシュ・ランプ照射により,10na以上の光電流を観測,光電子注入特性(電流・電圧,電流・時間)を測定した。その際に電子捕捉性不純物が時間とともに除去されていく現象を観測した。これは新しい液体精製法の可能性を示唆する。同時にこの電流値は,従来の伝導状態エネルギーV_0測定法の電流値を大きく陵駕し,V_0測定への利用の可能性を与える。ただし空間電荷が大きくなるため,その効果等を解析する必要がある。
|