研究概要 |
1.高圧用伝導度セルの漏れ修理を完了した。このセルを用いて2に述べる測定を行った。 2.n-ヘキサン-2,2-ジメチルブタン混合系中の電子移動度測定.前年度の準備的測定に引き続き,それぞれ電子局在化状態,準自由状態が優勢な上記2種の液体の混合系を用いて,電子状態の分布の移行の圧力及び濃度依存性を電子移動度μをプローブとして観測した。常温でμはn-ヘキサン中では圧力と共に減少,2,2-ジメチルブタン中で増加する。混合系では,圧力依存性は濃度(混合比)の関数として連続的に変化することを見いだした。例えば常温でn-ヘキサン<25mo1%でμは増加(例 10%,6〜10),>25mo1%で減少(例 48% 1.2〜0.6),〜25mo1%でほぼ一定(3前後)である。移動度の絶対値の大きさから見て,n-ヘキサン<25mo1%では電子は純2,2-ジメチルブタン中同様にほぼ準自由状態にあり,>25mo1%で局在化状態が優勢となる。さらにlog μは高圧下の液体中でも気-液共存系同様,混合比に比例することが分かった。このlog μの混合比に対する直線は,低圧領域に対する直線と高圧領域に対する直線が中間濃度で交差するという結果を得た。
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