研究概要 |
(1)準光学的アンテナを用いたガウシャン・モードへの変換と円形導波管による伝送, i)サブミリ波ジャイロトロンの出力を楕円筒面と放物筒面を併用した準光学的アンテナによって集光した後,収束点近傍に円形導波管をホーンとして置き,導波管内にガウシャン・モードを励起して伝送するシステムを製作し,実際に福井大学のGYROTRON FU IIに適用して,ジャイロトロン出力をプラズマに有効に結合させる方式を確立した。 ii)また,上記のアンテナと準光学的ミラー系を用いて、純粋なガウシャン・モード・ビームを生成し,プラズマへ高効率で結合させるためのシステムを設計し,製作した。今後,このシステムをサブミリ波ジャイロトロンと共に用いて,プラズマのサブミリ波散乱計測装置を完成させる。 (2)ジャイロトロンをサブミリ波分光用光源として応用する立場からみた出力のクォリティの検討とdemountable型ジャイロトロンの完成, i)12T超伝導マグネットを用いたdemountable型ジャイロトロンを完成し,サブミリ波分光用光源としての有効性を高めるため,パルス幅0.6秒までの長パルス化,出力の振幅変調と周波数変調を可能にした。 ii)本研究によって開発したジャイロトロン(GYROTRON FU II)と伝送系を用いて,プラズマ散乱計測装置を構成し,核融合科学研究所のヘリカル装置CHSに設置して,低周波密度揺動の検出に成功した。 iii)また,GYROTRON FU I及びGYROTRON FU E を光源として,ミリ波領域の広帯域ESR装置を完成し,ESRの幅広い研究に適用する基盤を確立した。 iv)17T超伝導マグネットと封じ切り型ジャイロトロンを組み合わせたGYROTRON FU IVを製作し,周波数850GHzに至る高周波化を達成した。この周波数は,ジャイロトロンの高周波動作に関する世界最高記録であり,分子レーザーの発振周波数にせまるものである。
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