研究課題/領域番号 |
04405008
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
家 正則 国立天文台, 大型光学赤外線望遠鏡計画推進部, 教授 (30111446)
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研究分担者 |
高見 英樹 郵政省, 通信総合研究所, 主任研究官
野口 猛 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (10124679)
田中 済 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (20011570)
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キーワード | 補償光学 / イメージ・スタビライザー / 大気シーイング / コルモゴルフ乱流 / 可変形鏡 / 制御工学 / ドーム・シーイング / ピエゾ駆動素子 |
研究概要 |
本年度は本研究の初年度にあたり、交付申請書記載の研究実施計画に沿って、以下の研究の実施した。 (1)フレームレート毎秒300コマ以上の高速低雑音カメラの開発のため、種々の方法を比較検討し、シリコンアバランシェホトダイオード(APD)をアレー化して、光子計数モードで用いる方式と、並列スキッパー読みだし方式の高速CCD素子の2方式を選定し、基礎実験を開始した。その結果、液体窒素温度でのAPDの光子計数効率60%、計測時間200ナノ秒を達成できる見通しが得られた。これにより、アレー化のためのパッケージや集光用マイクロレンズの検討に着手した。 (2)ドームシーイングモニターを用いて岡山天体物理観測所において、ドーム内外の大気揺らぎの寄与を実測した。その結果、岡山天体物理観測所ではドーム内部での揺らぎの寄与が外部での揺らぎの約1/2に達することが実証された。また、通風によりかえって外部の乱れた風が光路に侵入し、乱流強度が増大する傾向があることを示した。マウナケア山頂での測定実験のための装置の改造に着手した。 (3)岡山天体物理観測所188cm望遠鏡クーデ焦点赤外分光器に最適化した、波面傾斜補償光学装置を初めての実用レベルの補償光学系として設計し、製作した。 (4)積層ピエゾ駆動方式の形状可変鏡システムを完成させた。形状可変補償鏡は、直径50mm、厚さ0.5mmのガラス製で、裏面に接着された37本のピエゾ駆動素子により、形状を制御する。磁石による着脱可能な独自の方式のシステムが完成した。 (5)波面測定データから補償駆動制御信号への変換方式について検討した。 (6)レーザーガイド星を用いた補償光学システムの実現可能性とその得失を検討した。
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