研究課題/領域番号 |
04451040
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
谷 勝英 東北福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70118363)
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研究分担者 |
赤塚 俊治 東北福祉大学, 社会福祉学部, 職員
広浦 幸一 東北福祉大学, 社会福祉学部, 助手
田上 喜美 東北福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (20179568)
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キーワード | ネパールの貧困 / ネパールの福祉 / 児童就労 |
研究概要 |
本研究では、先行研究である発展途上国の都市化と児童問題の成果を踏まえながらも、ネパールの独自性に着目しつつ、ネパールにおける児童問題とそれに対する福祉政策の分析を進めている。 本研究の目的は、他の国とは異なり、伝統的な社会構造を有しているネパールにおける児童問題を社会構造との関係から分析することである。 そこで本研究は、子どもの社会化の過程と家庭内における役割分担及び児童の就労実態に焦点を当てて研究を行ってきた。ネパール社会においては、児童は社会化の過程の中で、家庭内における役割分担としての労働が日常生活の中に組み込まれている。その一方、貧困が児童を家庭外の賃労働へと組み込んでいくという構造も有しているのである。 5〜6才になると児童は地域との関係が深くなるだけでなく、大人社会の中に組み込まれていく。子どもは家庭の維持に欠かせない貴重な労働力となっていくのである。一方、親が借金を返せないために子どもを町のカーペット工場や家事手伝いなどに出す例もある。そこでは、早朝から深夜まで働らかざるをえない児童の姿がある。これらの児童就労の実態は明らかに、子どもの健全な発達の阻害といっているのである。 本年度は、上記のような児童の就労実態を明らかにする作業を中心に行ってきた。その成果は、下記の学会で報告した。 1.「ネパールの児童問題と児童福祉(その1)-先行研究の紹介と理論的枠組みの提示-」 2.「ネパールの児童問題と児童福祉(その2)-カトマンズ市における児童労働の実態調査の中間報告-」 日本社会福祉学会第40回大会、会場:長野大学、1992年10月18日。
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