研究課題/領域番号 |
04451044
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
奥田 道大 立教大学, 社会学部, 教授 (10062564)
|
研究分担者 |
水上 徹男 立教大学, 社会学部, 助手 (70239226)
岡本 包治 立教大学, 社会学部, 教授 (70062502)
|
キーワード | 21世紀システムとしての大都市像 / クリアランス型とリハビリテーション型再開発 / 大都市市街地居住 / ニューカマーズとしてのアジア系外国人 / 共生の作法 / より大きな都市コミュティの枠組みへ / オールドカマーズとしての「在日」問題 / 原爆スラム |
研究概要 |
1.本研究は、21世紀システムとしての脱産業化(工業化)型大都市再開発モデルの存在形態と社会学的意味を分析することにあった。3年次にわたる継続研究の第1年次は、(1)欧米および日本の大都市市街地の再開発モデルの推移、(2)この再開発モデルを20世紀システムとしてのクリアランス型ではなく、都心居住の観点から、コミュニティ保護の必要性を指摘、(3)都心居住を都心隣接のインナーエリアを含めて広域的に捉えると、いわゆる市街地居住の射程に、ニューカマーズとしてのアジア系外国人問題が入る。 2.本研究では大都市再開発モデルの内外実態資料の整備とともに、東京の池袋、新宿をはじめとするインナーエリアに集住化の著しいアジア系外国人の生活実態を、より大きなコミュニティの枠組みにおいて調査するところに第1年次の主点がおかれた。日本人と外国人との共生にもとづくコミュニティの実態解明と併せて、ニューカマーズの問題はコミュニティの隠れた存在としてのオールドカマーズの在日韓国・朝鮮人問題を浮彫りにした。調査地として東京以外に川崎、横浜、大阪、神戸、そして「原爆スラム」と言われた広島市基町の両開発地区へと視野をひろげた。アンケートとヒヤリング調査による諸結果は、学会、調査報告書その他の場を通じて逐次報告されている。 3.次年度は、(1)エスニック・コミュニティの実態を入れたりリハビリテーション型の再開発モデルの社会学的分析と、(2)外国人居住者のルーツと言われる「外国人居留地」(雑居地を含む)の変容過程を、この多国籍化と重層的生活空間形成のすすむコミュニティの今日的実態に照らして総合的に捉え直すことにする。東京、神戸の「外国人居留地」を、エスニック・コミュニティの歴史的事例として、とくに取り上げることにする。
|