本年度は初年度であったが、パソコン等予定の機器もスムーズに導入できたので、埼玉県大滝村において現地調査を実施した。大滝村は東京近県にありながら非常に深刻な過疎化と高齢化に見舞われており、わが国における過疎地域のタイプの一つを代表する。このような地域における過疎化と高齢化の実態を調査し、その問題点を整理することは過疎化と高齢化社会の問題を考究するために重要な資料を提供してくれるものと予想している。収集したデータは現在分析途中であるので結果を要約できないが、来年度以降予定の調査とあわせて貴重な資料になる予定である。 また、本年度の研究目標として過疎地の類型化を目指したが、これについては未完成であり、次年度も継続して検討していくことになっている。現段階で言えることは、日本全国を網羅できるような包括的な分類で、しかも統計的な処理が可能な一般性のある分類を目指したいということである。ただし、全地域の調査は不可能であるので、独自の指標というよりも既存の統計をアレンジした分類を考えている。次年度以降は可能ならばこの分類を踏まえて調査地を設定したい。 さらに、過疎地域および高齢化社会関係の文献や資料の収集と検討も課題であったが、この点も現地調査に追われて現時点ではまだまだ十分ではない。費用の面では調査データの分析ができる最低限の環境を整えることが第一であったので、文献に関しては次年度以降にまわさざるをえなかった。次年度もこの課題を引継ぎ、より勢力的に文献・資料の収集をし、共同研究者と協力して定期的な検討を加えていきたい。 なお、研究発表に関しては、研究途上につき現時点では行っていない。
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