研究作業の最終年度に当たる94年度は以下のような経過を辿った。これまでに仕上がった第一回衆議院総選挙から第二十一回衆議院総選挙までの当選議員について、その実人員約3900名の氏名、ID番号、選挙回次、所属政党、当選回数、生年、出生地、、学歴、専攻、続柄、父親の職業歴、団体役員歴、閣僚歴、党内役職歴、外国留学歴などの諸変数を表記した個人原票の再点検から始めた。問題点の一つとして『衆議院議員名鑑』(1977)には当選議員として記載されながらも、入手し得る文献には当該人物に関する資料が全く無いものがいくらかあり、これは無視して進めた。また当初計画の大きな変更として指摘しなくてはならないのは、上に記した諸変数に基づいた各選挙回ごとの当選者ファイルの作成が資料の関係から不可能になったことである。既に前年度経過報告に記したように、個々の議員がそれぞれの選挙においてどのような経歴を経ているのかを判定出来るような資料にはなっていないことである。したがって、選挙回ごとのファイルは出来上がってもそれはその選挙回においた初当選した議員が議会を辞職するまでの経歴であって、かれらが記載されているような職歴、閣僚歴、党内役職歴にいつ就いたのか判然としていない、ということになる。とすれば、各総選挙にもとづいて選出された議員によって構成される新しい議会がどのような利害を代表しているのか簡単には言うことが出来ないことになる。ともあれ、94年度の作業は上記諸変数をコンピュウ-タに入力出来るようにコード化することと、そのデータファイルの作成に尽きた。
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