地域の発展、統合にたいして神社がどのような機能を果たしてきたかを理論的・実証的に分析し、地域統合のシンボルとしての神社の意味を明らかにすることが、本研究の目的であり、平成5年度は、平成4年度に引き続き資料所在調査、文献調査をおこなってきた。これについてはほぼ所期の目的を達成することができた。 研究目的を達成するため本研究は、1、地域統合のシンボルとしての神社を分析するための社会学的枠組みを設定するとともに、2、その枠組みを用いて、北海道における神社の実態について、明治以降、現在にいたる変化の分析をおこなうことをめざすものであるが、これについても今年度は、文献調査、神社の現状分析調査などをふまえて検討を加えてきた。 調査対象については、屯田兵村における神社に焦点をあわせることに決定したので、それにもとづいて、基礎的文献の収集と検討の作業おこなってきた。ただし、屯田兵村についてはかなりの研究の蓄積があり、さらに文献調査が必要であると思われる。また、屯田兵村神社についての資料蒐集もさらにおこなっていく必要性があることを確認した。 調査対象の屯田兵村神社については、現地調査の実施、ならびに郵送法による質問紙調査を実施中であり、またデータの点検・集計作業の段階であるが、地域統合のシンボルとしての特徴を強くもつことを確認した。
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