研究課題
本研究は、中央教育審議会の四六答申と臨時教育審議会答申を中心として、改革課題と改革プログラムの内容分析と分類(タクソノミー)を行い、その成果にもとづいて、最近の教育政策の転換、すなわち柔軟化政策という改革プログラムの結果予測(アセスメント)を行うことを目的とする。本年度は、内容分析と分類、整理の作業を先行させ、とくに臨時教育審議会の答申と、それをふまえて実施された教育政策を以下のように整理し、それをふまえで中央教育審議会委員、臨時教育審議会委員(専門委員を含む)、これら審議会の参考人などを対象とした調査を行った。(1)改革イデオロギーと政策の基本的方向:自由化論の再登場、教育自由化論のねらい、柔軟化路線への変容。(2)改革の生体と構想:教育改革の政治・権力構造、受け身の教育改革、グランド・デザインの喪失。(3)新しい政策プログラムとその評価:ハードな改革からソフトな改革へ(制度の改革から運用の改善へ)、個人化・許容化の限界(規律緩和よりも規律の弛緩)、規制緩和と柔らかな集権化が並行。(4)政策形成の契機と背景:政策転換の経済的背景、システム内部の事情、行政環境の変貌