朝日町の婦人会、若妻会、農協婦人部、サークル活動のリーダー、区長の妻、消防団員の妻など14名にライフ・ヒストリーの聞き取りを行い、さらに区長、農業実行組合長、たばこ耕作組合長などの経験をもつ男性8名に、地域社会が抱えてきた課題の変遷と、女性の働きや女性の位置づけに関する聞き取りを行った。 その結果、農業経営における養蚕から果樹への変換、養蚕からたばこへの変換、農業を生業とすることの断念など農業経営の重要な転換点において、農業経営者の妻たちの意向が重要な鍵を握っていることが分った。平成5年度には、産育と女性の農業経営・地域社会への参画との関連を詳しく分析する予定である。 さらに農業以外の生業(商業・工業)における女性の地域社会への参画、および自ら給与所得者となっている女性(公務員、団体職員などで、特にアトトリである立場の者が大きい役割を占める)による地域活性化にむけての活動に関しても分析を重ねる予定である。 研究分担者の魚住は、主に山形県庁の行政資料室において収集した統計的な資料(『山形県の人口と世帯数』『西村山地方の人口動態』等)をもとに、人工動態と女性政策の関係について分析中である。平成5年度は、山形県の各市町村で行われた女性への意識調査に関する資料を収集するとともに、県、群、町における行政担当官へのインタビューを行い、山形県における朝日町の相対的な位置づけを行っていきたい。
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