研究課題/領域番号 |
04451068
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
原 ひろ子 お茶の水女子大学, 女性文化研究センター, 教授 (90120831)
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研究分担者 |
魚住 明代 城西国際大学, 人文学部・国際文化学科, 講師 (90228354)
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キーワード | 農山村 / ライフヒストリー / 出産 / 子育て / 女性の就業 / 性別役割分業 / 女性の社会参画 / 地域活性化 |
研究概要 |
本研究の対象地域である山形県P町は、1955年以降、若年人口の地域外への流出・出生数の減少・農家などの家業の後継者問題・高齢化に悩みながらも、地域おこしを企ている。本研究では、農山村地域社会の担い手としての女性の役割と今後の課題を、(1)出産と子育て(2)地域活性化と女性 の観点から主としてライフヒストリーを中心とする面接調査と、人口統計資料・山形県女性の意識調査等を用いて行った。 (1)出産と子育てについて:当町では性役割分業意識が強く、父親の家事・育児参加度は高くない。母親の就業率は高く、その家庭外での就労を可能にしているのは、同居している祖父母(特に祖母)の育児参加である。育児のための体力の限界や老人介護といった祖母の状況が、母親の出産回数を規定することもある。核家族の場合、0歳児保育がないため、育児休業しにくい職場環境の下では保育に窮することがある。また、町外の高校・短大・専門学校・大学への子どもの進学が家計を圧迫し、出生数を抑制している。 (2)地域活性化における女性の役割:地域婦人会員、農協婦人部員、消防団役員・区長・町会議員・商工会役員等の妻、町役場や農協の職員、コーラス団員など新興のサークル活動メンバーなどとして、実質的に女性が大きな役割を果たしていることは多いが、重要な方針決定に参画する立場や地位にある女性はいない。地方選挙の際などに男性候補者は女性の役割を強調する。しかし、女性が方針決定に直接参画しないため、地域社会全体に存在する潜在的ニーズが把握されない場合が多い。変革の必要を感知している男性も存在するが、往々にして長男として「家」を背負っている者が、この問題を認識するには年月を要するように思われる。こうした問題を町全体の事柄として認識し、打開策を探ることが地域における女性の活動をより有効化することにつながるであろう。
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