研究分担者 |
大櫛 敦弘 高知大学, 人文学部, 助教授 (40201967)
宮本 一夫 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60174207)
串田 久治 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (70127223)
若江 賢三 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60136299)
藤田 勝久 愛媛大学, 教養部, 助教授 (10183592)
|
研究概要 |
当該年度は,本研究に関する『史記』『漢書』の研究文献目録や出土文物などの整理をおこなった。 また,6回にわたって研究会をおこない,研究報告と情報交換をした。宮本一夫は山東地方の斉国の王陵,青銅器銘文,瓦文などに依拠する考古学的研究報告をおこない,あわせて現地の遺跡をスライドによって紹介した。大櫛敦弘は『史記』『漢書』の文献批判を通し,歴史地理的視点に立って漢代の洛湯遷都論を考察した。藤田勝久は安徽省寿県出土の鄂君啓節に記述されている楚国の交通路を検討し,『史記』楚世家の文献記載との比較をおこなう準備をした。間瀬収芳は戦国楚国の芍陂〔現安豊塘〕と楚国未期の都,寿春〔現寿県〕とについて,現地報告を踏まえてその立地について検討した。若江賢三は雲夢睡虎地秦簡を主たる史料的根拠として秦代の刑期やその体系についての問題を再検討した。これらは戦国・秦・漢代の社会の地域的に考察しようとする研究である。 串田久治は『史記』列伝に採録されている「歌」に注目して考察し,その中で,『漢書』列伝との比較をもおこなった。加藤国安は〓信の史詩の構成を分析し,その中にみられる『史記』の影響について報告した。これらは漢六朝期における文学,哲学の視点からの比較研究となるものである。 このほか,研究協力者として東晋次氏,湯浅邦弘氏,覃啓勲氏から中国古代の社会,地域研究にかかわる報告をしていただき,また,日中両国の『史記』研究の動向を紹介していただいた。これによって本研究をすすめる上で大いに視野を広めることができた。 今後は,『史記』『漢書』にかかわる中国古代社会の地域的特色の総合化をはかるとともに,今後とも各分野における具体的考察を深化させていく為の努力を継続したいと考えている。
|