研究課題/領域番号 |
04451099
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
來生 新 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (10092644)
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研究分担者 |
中村 靖 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (60189066)
松田 保彦 横浜国立大学, 大学院国際経済法学研究科, 教授 (90014711)
三辺 夏雄 横浜国立大学, 大学院国際経済法学研究科, 助教授 (50215927)
柳 赫香 横浜国立大学, 大学院国際経済法学研究科, 助教授 (90220516)
村上 政博 横浜国立大学, 大学院国際経済法学研究科, 教授 (80229971)
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キーワード | 政策決定過程の不透明性 / 省庁間の対立調整 / 競争原理と規制緩和 / 行政指導の多用 / 産業被害救済制度 / 弾力関税制度 |
研究概要 |
本研究の初年度である平成4年度の研究実施計画は、1)韓国の関連分野の文献収集及び翻訳、2)「日韓比較法制研究会」の実施による比較研究の二つの柱からなっていた。 1。『大韓民国 現行法令集』及び英文の抜粋『現行法令集』を追録を含めて一組ずつ購入し、本研究関連分野の文献を経済統計、各種政府白書、行政規則集、字引類、基本文献及び専門書など網羅的に購入した。そして、留学生をアルバイトとして雇用して主要法令・規則と本研究に必要な文献を抜粋して翻訳作業を進め、できあがった翻訳を研究会で活用し議論がより充実するよう試みた。 2。本年度は韓国の学者、弁護士及び官僚を招いて計5回の研究会を開いた。研究会における議論を通じていくつかの点が明らかになった。 (1)日韓ともに通商政策・産業政策決定が行政府への大幅な権限委任の形で行政府主導型で行われ、議会による民主的統制が事実上欠如し、その意味では政策決定過程が国民にとって不透明であること、(2)両国ともに通商政策・産業政策決定の際に、省庁間の権限争いが存在し、それに対する有効な調整の必要があること、そして、関連法規の執行に際して行政指導が多用されていること、(3)両国ともに主に米国・ECとの通商摩擦を回避するために輸出入秩序を確保する方法として関連法規を整備・運用していること、(4)韓国は日本に比べて産業政策関連分野における規制緩和の推進は遅れているが、通商政策関連法規の分野においては、輸入による産業被害救済制度・弾力関税制度の整備及びその活発な運用、国際基準からみた場合の知的財産権法規の内容の充実化などの点では、むしろ日本を上回る進展を見せていることが判明した。 平成5年度には、本年度の成果を踏まえて、引き続き文献収集及び翻訳事業を続ける一方、研究会を月1回のペースで実施しながら、その成果をまとめ何らかの形で刊行することを計画している。
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