研究課題
一般研究(B)
本研究は、金融取引と犯罪について、金融取引にかかる不正行為の実態を調査するとともに、内外の資料・文献を収集・分析し、わが国の金融取引をめぐる刑事法上の問題について解釈論的・立法論的研究を行ったものである。実態調査については、銀行実務家、弁護士、検察官等の専門家から金融取引の実態及び不正行為の実例について聞き取り調査を行い、その法律上の問題点について意見交換を行った。外国法の研究については、伝統的な銀行犯罪について研究を行うとともに、特に、マネーローンダリングやインサイダー取引等の新しい犯罪類型に力を入れて研究を行った。また、処罰の面では、没収・追徴に関する研究も行った。研究の具体的進め方においては、研究代表者及び研究分担者において、各自の分担を定めて研究を進めて、年数回の全体の研究会において各自報告を行い、全員で問題点について議論を行った。これらの研究に基づいて、主に次の5つの分野において、研究成果のとりまとめを行った。第1に、伝統的な金融犯罪としては、金融取引における横領・背任の問題について研究成果をまとめた。第2に、浮き貸し等の罪に関する研究をまとめた。第3に、近時金融不祥事との関連で注目されている、銀行の経営内容のディスクロージャーとの関係での研究をまとめた。第4に、マネーローンダリングに関する研究をまとめた。第5に、インサイダー取引に関する研究をまとめた。以上の成果は、順次、論文の形で公表した。
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