研究課題/領域番号 |
04451102
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高城 和義 広島大学, 法学部, 教授 (00085953)
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研究分担者 |
森邊 成一 広島大学, 法学部, 助教授 (50210183)
林 忠行 広島大学, 法学部, 教授 (90156448)
野原 光 広島大学, 法学部, 教授 (40085999)
川崎 信文 広島大学, 法学部, 教授 (60152948)
山本 隆基 広島大学, 法学部, 教授 (70036078)
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キーワード | 比較政治 / 中央ー地方関係 / 連邦制 / リージョナリズム / グローバリゼーション / 地方自治 |
研究概要 |
本研究は、世界のグローバル化が進行しつつある現代世界において、各国民国家内で展開しつつある中央ー地方関係の再編成を、比較政治学的に分析しようとするものである。そのため各研究分担者は、本年度、各研究分担課題にかんする最新の研究文献と研究資料とをリスト・アップし、それらを収集するとともに、研究史の整理につとめた。その結果、現在進行中のグローバルな世界における中央ー地方関係の再編過程にかんする本格的研究は、まだほとんどなく、今後の課題に残されていることをしることができた。 加えて本年度の研究においては、とりわけつぎの諸点について、具体的な検討を重ねた。(1)アメリカにおける連邦再編問題をめぐる最近の論争、(2)カナダにおけるケベック独立阻止をねらった連邦憲法政正案の否決に結果した、西部諸地域の地域主義の動向、(3)フランスのミッテラン政権下での1982年の「地域圏」設定をめぐるレジオナリスムの動向、(4)1992年6月総選挙の結果としての、チェコスロヴァキア連邦の解体過程、(5)インドネシアにおける中国系人口の最近の動向と国家統合の関連、(6)日本の東海地域における中小中堅企業ネットワーク形成と中央・地方政府による支援のあり方との関連、(7)陸羯南の地方自治思想の独自性、(8)北海道開発庁と沖縄開発庁の政策と両地域の発展との相互連関。 こうした検討の結果、欧米においても東欧、アジア、日本においても、新たなリージョナリズム運動が急速に台頭していること、しかしながらそれらを包み込んだ新たな国民国家統合は困難を極めていることが、具体的に明らかにされつつある。ひきつづき各国の分析をすすめつつ、来年度はそれらを総括して、連邦制の類型化と各国の今日的な中央ー地方関係の再編成を比較分析することとを可能にする、一般理論の形成に向かいたいと思う。
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