研究分担者 |
後藤 純一 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (70234987)
西島 章次 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70116234)
阿部 茂行 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (60140076)
片山 誠一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70047489)
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
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研究概要 |
本研究の目的は国際協力と経済発展,貿易,直接投資等に関する理論的研究を踏まえて環太平洋諸国における国際協力の現状と問題点を明らかにすることにある。この目的を達成するために,前年度の研究を踏まえて,別記のような研究成果を発表することができた。石垣の研究論文はオーストラリアにおける外国投資の役割が明らかにされている。外国投資,とくに日本を含む外国直接投資が80年代後半に急増するけれども,それが生産力の向上に直接的に結びついていないという問題点がここで明らかにされた。阿部・井川の共同研究では南アジアと日本との経済協力の現状と問題点を指摘し,将来の在り方について検討を加えている。後藤論文は環太平洋経済圏に対峙する今一つの巨大経済圏であるEU(ヨーロッパ同盟)の結成の経済的影響を分析したものである。西島論文は環太平洋経済圏の主要な構成地域の1つであるラテンアメリカ経済の現状と問題点を踏まえて,いかなる経済改革がなされようとしているのかを分析し,その経済改革が順調に進行するための条件を明確化している。山口論文は,経済の国際化,相互依存性が高まる中で,資源・エネルギー・食糧の安全保障がきわめて重要な論点となっている現在,特に食糧問題をとりあげ,農林水産省の薦める「新政策」の問題点を人口問題の側面から解明している。片山論文は,環太平洋経済圏やアジア・太平洋地域における貿易構造や産業構造の変化を測定するための計量経済学的手法の1つであるスイッチング回帰モデルにモンテカルロ実験を行うことによって新しい結果を得ることができた。この手法を実証研究に適用することによって環太平洋経済圏の貿易構造の変化の有無やその時期を明らかにすることができるようになった。
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