研究課題
1.研究担当者は、研究対象国(韓国・タイ・フィリピン・中国・インド・エジプト・トルコ)の経済発展および農業経済の展開過程に関する研究史の整理をおこなった。2.月1度のペースで研究会を行い、各自の作業の進み具合いと今後の課題に関して互いに報告しあった。3.とくにトルコ・韓国・タイの3カ国の経済に関してはその現状が報告され、トルコでは1980年代、韓国・タイでは1970年代のそれぞれの経済成長過程において国内農村が工業製品販売市場として重要な役割を果たした点が明らかにされた。4.こうした研究会での報告・討論を通じて、農業構造の特質という観点から各国の経済発展の類型を考察しようとする本研究の方法論上の妥当性が確認できたといえる。5.ただし本年度の研究では、研究史の整理に主眼がおかれてきたために、統計資料や様々な記述資料を用いた具体的な考察にはいまだたちいたっていない。6.さらに本研究での調査対象国は7カ国にのぼり、それら相互の比較検討さらには類型化という作業をきわめて重要な課題として設定したものの、そのための準備作業もまたまったく手付かずのままである。7.今後は、各自が対象国の具体的な分析を精力的に行いつつ、頻繁に研究会を行い比較検討作業を深めるなかで類型化のための視点を明確にしてゆくことが重要な課題となる。