本研究では、下記の二点を調査目的とし、その上でスポーツ政策への提言を試みることを目的とした。 1.地域間比較を前提として、人口変動の大きい自治体(混住化地域)と人口変動の少ない自治体の住民のスポーツ活動の実態・意識を把握すること。 2.事例研究として、活動年数の長いスポーツ組織の特徴を把握すること及びコミュニィ活動の可能性を明らかにすること。 主たる調査結果については、次のことが指摘できる。 1.職業的な背景によって、スポーツ活動への関与の仕方に差がみられる。職業的な背景とは、例えば、農業従事者とその他の職業従事者の相違、職場までの通勤時間の大小などをさす。 2.活動年数の長いスポーツ組織の特徴としては、多くの組織成員が自発的・自立的活動をするために成熟している。また、スポーツ活動をするための場や機会の確保、組織に参与しやすい諸条件の整備に組織自ら努力や工夫がなされている。スポーツ以外のコミュニティ活動との関係を見ると、大規模組織では、組織への凝集性を高める一つの方策としてコミュニティ活動を行っている。小規模組織の場合は、スポーツ組織自体では、スポーツ活動以外のコミュニティ活動はなされていないが、多くの成員が個人的に地域での奉仕活動などに関与している。 なお、詳細な結果については、日本スポーツ教育学会の研究誌を中心にして公表する。
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