研究概要 |
本研究は,「生活科における遊び体験」が自然認識,社会認識,自己認識形成に及ぼす効果の研究を課題とする。その方法として,I「生活科」「遊び科」「総合学習」における遊びの実践事実の収集,II遊び単元の類型化,そして,中心課題としての III遊び体験の事実の分析を課題として進めた。93年度は,92年度の理論研究,観察・見学・資料収集の成果を整理しつつ,遊び体験の事実をどのように分析するか,に集中的に取り組んだ。その過程で,III遊び体験の分析に耐えうる事実として,我々自身による事実の詳細な記録へと研究を進める必要が生じた。岡山大学附属小学校および生活科担当教諭2人の協力を得て,1993年10月5日に同校で実施された,生活科「子どもの森へ行こう」の観察記録を行なった。観察記録は,子どものよく遊ぶと推測される遊具2か所,砂場付き滑り斜面1か所での「定点観察」(ビデオ),予め選択された5グループの追跡観察調査(チェックリスト,ビデオ)の2種類の方法で行なった。これらの記録のほかに,子どもの事前の計画書(たんけんカード),事後の作品(絵と文),事後のアンケート,および,われわれの直接観察経験等が,遊び体験の事実を表わす資料として得られた。これらの事実を分析して,一つの結論を出すこと,報告書にまとめることが94年度の課題である。
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