研究概要 |
今年度の実績の概要は以下のとおりである。 1.ドイツの子どもの環境に関する知識・意識・態度・行動様式についてドイツで行われた研究をレビューした。 2.1に基づき,日本の中学生・高校生912名を対象にした調査し,日本とドイツの子どもの環境に関する意識・態度・行動様式を比較した.その結果次の諸点が明らかになった. (1)日常の買い物行動において圧到的にドイツの子どもの方が環境にふさわしい行動様式が形成されている. (2)環境問題対策において,開発に歯止めをかける対策,厳罰主義に訴えるような対策は日本の子どもの場合,特に低く評価されている. (3)環境に関する態度において,日本の子どもは,明確な態度表明を避ける傾向がある. 3.ドイツの初等中等学校の教科教育における環境教育について,ザッハウンターリヒト,社会科,数学科の観点から分析した. (1)ザッハウンターリヒトでは,環境問題テーマの比率,内容構成の原理,種々の授業展開の方法について明確にした. (2)社会科では,環境授業方式としてユニークなライディンガー「環境史」導入,コンフリクト中心の「計画ゲーム」についてその意義,日本への導入の可能性について明らかにした. 4.ドイツのザッハウンターリヒトの環境教育事例のデータベース化をはかった.現在106のレコードを登録した.設定したフィールドは,シリアルナンバー,環境問題テーマ,分類カテゴリー,学年,出版年,教科書名,教科書の実際,教科書本文の記述,内容構成の観点である.データベースソフトはファイルメーカー・Proを使用した.
|