研究課題/領域番号 |
04452004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川中 宣明 大阪大学, 理学部, 教授 (10028219)
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研究分担者 |
佐竹 郁夫 大阪大学, 理学部, 助手 (80243161)
山根 宏之 大阪大学, 理学部, 助手 (10230517)
村上 順 大阪大学, 理学部, 助教授 (90157751)
永友 清和 大阪大学, 理学部, 助教授 (90172543)
宮西 正宜 大阪大学, 理学部, 教授 (80025311)
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キーワード | 結び目 / 量子群 / ヘッケ環 / グラフ / ルート系 / 特異点 / 超リー代数 / ホップ代数 |
研究概要 |
村上は、結び目の位相的不変量としてよく知られている多変数アレクサンダー多項式を、統計力学的に定義することに成功し、これを用いて多変数アレクサンダー多項式を定める公理系で局所的条件のみからなるものを構成した。村上は、また、一般線形群の量子化として得られる量子群の混合テンソル表現の中心化環の生成元と基本関係式を求め、すべての既約表現を構成した。こうして得られる多元環は、岩堀・ヘッケ環の一般化になっている。村上は、この一般化されたヘッケ環を用いて、空間グラフの埋め込み不変量である山田多項式の一般化にも成功した。村上は、さらに、コントセビッチの重複積分によるタングルの不変量の研究も行い、結び目、絡み目、タングルのコントセビッチ積分の組み合わせ的記述を与えた。佐竹は、E_6型の拡大アファイン・ルート系に対応する単純楕円型特異点を研究し、斎藤恭司の意味での平坦構造をテータ関数を用いて具体的に記述した。山根は、単純超リー代数の普遍包絡環を量子化することにより、新しい準三角型ホップ代数を構成した。これは、ドリンフェルドと神保が、単純リー代数の量子化として定義した量子包絡環の類似であるが、定義関係式として、セール型でないものが現れる点が注目に価する。これらの関係式は、量子化される以前の超リー代数の包絡環の場合においてすら、これまで正確には、認識されていなかったものである。山根は、これらの結果を、アファイン型の超リー代数の場合に拡張することにも成功した。
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