研究課題/領域番号 |
04452015
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
芝井 広 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (70154234)
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研究分担者 |
広本 宣久 通信総合研究所, 電波応用部, 主任研究官
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (20202210)
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (40135299)
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
奥田 治之 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
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キーワード | 宇宙観測 / 赤外線検出器 / 気球観測 / 星間物質 / 星間塵 / 銀河系 |
研究概要 |
平成4年度の主要目標は、多素子の遠赤外検出器の開発であった。そこで年度前半においては、実用波長域を200μmにまで伸ばせる圧縮型Ge:Ga素子を用いて、8素子検出器の製作、試験、及び性能評価を行った(第1次試作)。この際、素子の材料であるガリウムをドープしたゲルマニウム単結晶の製作、及び素子のカット、電極処理については通信総研が主に担当した。また素子の圧縮機構を備えたアレイ用のマウント、キャビティーの設計製作は宇宙研が担当した。検出器アレイの組立は両者が共同で行った。組上がった検出器アレイの極低温における性能評価は宇宙研が担当した。 その結果、遠赤外検出素子としてもっとも重要な性能指標である量子効率の値として、「0.6」を得た。この値は理想値「1」に近く、世界最高レベルのものである。さらに低雑音性、周波数応答性、視野特性などについても、予想を上回る良好な性能を備えていることが確認された。ただし、圧縮機構の組立方法にやや問題があり、8素子検出器としては完成しなかった。この問題点は容易に解決できるものであったので、年度後半に第2次試作を行い、遠赤外8素子アレイ検出器を完成させた。 さらに平成5年度には、この遠赤外検出素子アレイを用いて、気球観測を行い、成果の発表を行う計画である。そのために、気球搭載用クライオスタットへの検出器取り付け、及び集光光学系、気球ゴンドラへの取付などについて設計を行い、製作を開始した。観測領域としては北天銀河面領域及びオリオン星雲を中心とした領域を予定している。
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