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1992 年度 実績報告書

上皿天秤を用いたCasimir効果の精密検証

研究課題

研究課題/領域番号 04452020
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 哲也  東京大学, 理学部, 助手 (50222394)

キーワード真空のエネルギー / カシミール効果 / 精密上皿天秤 / 未知短距離力 / 未知中性ボソン
研究概要

精密上皿天秤を利用した実験装置の設計・製作と、未知媒介粒子に関する考察を行った。本実験では2枚の平面金属極板を平行に保ちながら極板間距離をマイクロメートル程度にまで近付けその間に働く力を極板間距離の関数として測定する。そのため完壁な金属平面を得る必要があり光学用鏡面基板に金蒸着したものを用いることとした。鏡面基板は石英を研磨したもので平面精度60nm以下、粗さ1nm以下の満足できる平面が得られた。一方金蒸着に関してはテストの結果、蒸着面に直径数nmの金クラスタが付着してしまうことがわかった。これでは2枚の極板を十分に近付けることができない。そこで金蒸着を超高真空下で行い金クラスタの付着を防ぐことを検討し試験している。
又2枚の極板を平行に保ち、かつ間隔を知るためには、極板間距離を正確に測定する必要がある。相対的な変位はレーザー干渉を利用した変位計で10nmまで測定できる。干渉を利用しているので再現性・直線性はレーザーの波長安定性だけで決まり10^<-6>の精度が得られる。しかし距離の絶対値を知るためには零点を知る必要がある。一方、石英板上の金蒸着面は衝撃に極めて弱い。そこで石英板に段差を作り金蒸着面を保護しつつ2枚の極板を密着させる方法を考え出した。
極板を動かす装置は粗動にマイクロメータを微動にピエゾ素子を用いたものを設計・製作している。現在測定系の振動が最大の問題と考えられるが測定系全体を防振台の上に設置することで解決を図る。
カシミール効果の理論予言と測定結果のずれから到達距離がマイクロメートル程度の力を探す試みに関してその感度を見積もった。その結果力を媒介する粒子の質量が10^<-3>〜1evの領域で既存の実験の10^3程度の感度が得られることがわかった。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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