研究概要 |
偏極したハイパー核の非対称弱崩壊の研究より(1)(π^+K^+)反応による準自由散乱過程はΛのスピンに関する限り自由散乱とほぼ等しいことを実験的、理論的に明らかにした。(ref.1.2)(2)偏極したハイパー核の非中間子崩壊が非対称角分布をもつことを示し、偏極度を計算することにより非対称パラメーターを求めた。(ref.3) (K^-,π^°)反応について理論的考察を行いその特質を明らかにした。この中で特にスピンフリップ振幅の役割についてまとめた。(ref.4) 偏極ハイパー核の非中間子崩壊はΛN→NNという重粒子間の弱相互作用を研究するほぼ唯一の場であるが、そのためには^5_^Heの研究が最適であることを明らかにした。(ref.5)この実験をKEKに提案し、採択された。ここで(K^-,π^°)は一般的に偏極ハイパー核の生成に適しているが、この場合だけは、(π^+,K^+)がよいことがわかり、^6Li(π^+,K^+p)反応で偏極した^5_^Heを生成することにした。 今まで偏極ハイパー核の偏極度は計算するしかなかったが、^5Heの中間子崩壊の非対称度を測定することにより実験的に求められることを示した。(ref.6) π^°を測定するために高速高分解鉛・プラスチック検出器を開発し、分解能が既存のタイプのものより向上することを明らかにした。これは現在まとめの作業を行っている。 偏極したハイパー核からの崩壊粒子を測定するためにシリコンストリップ検出器の製作、レンジ・シャワーカウンタの製作を行い、性能評価を行った。 現在来年度に実施される実験に向けて準備を進めている。
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