研究概要 |
今年度はCeRh_2,CeIr_2,CeRu_2,RIn_3(R=Dy,Ho,Er,Tm,Lu),YbGa_2,YRu_2Si_2,CeRu_2Si_2,LaFe_2Ge_2,CeFe_2Ge_2,PrCu_2,NdCu_2,及びUPd_3とUPt_3などの多数の単結晶を育成した。この中で,半数以上の物質に関してドハース・ファンアルフェン振動の検出に成功し,伝導電子のフェルミ面やサイクロトロン有効質量を決定した。 研究成果の中からいくつかを要約すると (1)CeRu_2Si_2は継続して研究しているが,トライ・アーク溶解炉で引上げ法で育成した単結晶試料を富山県立技術大学の前沢邦彦助教授の協力を得て,超高真空下で固相電解することにより,更に純良化が進んだ。メタ磁性転移動の主要フェルミ面の軌道を広い磁場範囲で測定することができた。 (2)NdIn_3とNdCu_2のメタ磁性に伴うフェルミ面の変化を磁化の大きさを考慮して精密に解析し,知見を得た。 (3)YbGa_2は半金属でフェルミ面はすべて閉じた楕円体である。Ybは2価であると思う。サイクロトロン質量は比較的軽い (4)YRu_2Si_2はLaRu_2Si_2の類似物質であるが,主要な正孔フェルミ面は同じであった。ただし電子フェルミ面は異なり,[001]方向に柱状のフェルミ面が存在する。
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