研究概要 |
目的 有機金属、有機超伝導体の研究を促進するために、それらの良質な結晶を得ることが目的である。 本年度は前年度に引き続き「成長中の結晶の大きさと加えた電流値との関係」を明らかにすることを目標とし、前年度に提案した結晶成長のスタートからの時間(t)と電解の電流値(I)との関係の(1)式が一般的に成り立つかどうかを研究した。ただし、cは定数である。 I=ct^2 (1) これまでの定電流法ではドナー0.13mmol、支持電解質0.52mmol、溶媒60ml、20℃で1muAで30日、2muAでさらに15日で育成しているので、この条件から C=(2^2)/(3^2・15^2) として、上記の処方で結晶育成を行った。結晶育成期間は約1.5カ月である。(BEDT-TTF)_2Cu(SCN)_2の良質な結晶は上式に従った結晶育成で得られたことはすでに述べた。さらに、(TMTTF)_2Brについては(1)式に従った結晶育成では良質な結晶が得られているが、定電流では良質な結晶は得られなかった。その他、(TMTTF)_2XのX=C1O_4,PF_6,AsF_6、(BEDT-TTF)_2XのX=I_3,I_2Br,IBr_2,IBrCl,ICl_2の育成を続け、良い結果が得られつつある。
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