研究概要 |
本年度は特にTbMn_2O_5およびYMn_2O_5に実験を進めるとともに,従来の研究結果について一応のまとめを行った.それを要約すると,以下のようになる. 1)REMn_2O_5は約40K以下で逐次的に相転移を起こす. 2)まず,39-45Kの区域に反強磁性ネール点T_<N1>が存在し,Mn^<3+>とMn^<4+>のスピンの整列が起こる. 3)25K付近の転移T_Eは誘電率の異常を伴い,構造相転移と考えられる. 4)20K付近にスピン再配列転移T_<SRO>がある. 5)さらに低温で,希土類イオンのスピンが整列する転移T_<N2>が存在する.TbMn_2O_5でそのような転移に伴う電気磁気効果の変化を見いだしている. 6)少なくとも,EuMn_2O_5とGdMn_2O_5では,T_<N1>以下で結晶の空間反転対称性が破れている. 以上の結果は,1993年9月に開催された,第2回電気磁気効果国際会議(MEIPIC-2)での招待講演などで公表した.目下,2篇の論文がFerroelectrics誌に掲載予定である.
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